カウンセリングに費やした時間と心理学の知識を実生活にいかすために

「自分の内側で何が起こっているのか」に目を向ける

カウンセリングを生活に生かすために

⇒ カウンセリングの受け方についてはこちらを参考にしてください


カウンセリングの効果を実生活に役立てていただくため、
また、「自分の心の状態」を知るきっかけになればと思い、
心理学の知識をまとめました。

カウンセリングを受けるつもりのない方にとっても、
普段あまり意識しない「心のこと」を知ることは
生活の中で生まれるストレスを減らす
という意味でも
助けになってくれると思います。

*番号順に読む必要はありませんので、
 気になる項目から、読んでいただければと思います。


⇒@感情、思考、行動のバランス

⇒A普段意識している領域と、無意識の領域があります

⇒B人の体には一定の状態に戻ろうとする機能があります

⇒C自分の存在を認識するためには他者が必要

⇒D一つの出来事に対して、感情は一つではない

⇒E過去の感情は、今も消えてはいない

⇒F心の中には幼い頃の自分(インナーチャイルド)がいる

⇒G「何を感じるか」は、人それぞれ違います

⇒H目の前に起こる出来事は、心の中で信じていること(投影)

⇒I人が変えることができるのは「自分のこと」だけ




@ 感情、思考、行動のバランス

私たちの普段の行動
「毎日、何をしているのか」「どんな振る舞いをしているのか」は

頭で考えている思考(考え方・価値観)
「何をするべきと考えているのか」「してはいけないことは何か」が
もとになっています。

それは思考や考え方によって行動が生み出されているとも
言いかえることができるのです。



例えば「学校に行くという行動」に対しては

「友達に会える」「関心のあることが学べる」
「ちゃんと行かないと、まわりから取り残される」
「親に心配をかけたくない」
そんな期待や、きっと〇〇なはず、という考え方が根底にあります。

思考の中で期待している結果を得るために行動しているのです。



さらに、思考のつくられるもとになっているのが感情です。
本来は感情を満たすために行動をしているはずであり、
行動したことによって、何らかの感情を感じているのです。

ですが、感情をどこかに忘れてしまったような行動
盲目的に「正しい」「当たり前」「そうするべき」という
思考ばかりにとらわれた行動は満足感が感じにくくなります。


だからこそ、思うようにいかず、行き詰まっているときほど、
その思考や行動によって、
「本当に求めていたのは何か」を思い出す必要がある
のです。



子供の頃の行動は、誰でも
もっと感情がストレートにでていたはずです。

誰にでも、感情に正直に生きていた頃はあるのです。

「欲しいもの」や「やりたいこと」があると、
その感情が直接、行動に結びついているのが子供です。
だからこそ「満足感」が得やすいのです。


ただし、感情に素直な行動は
失敗や挫折などの「痛い思い」をすることも多くなってしまいます。


人は、つらいことや苦しいことがあると
これ以上つらい思いをしたくないので、感情を閉ざしてしまいます。

失敗などの経験から学習し、この先「痛い思い」をしないように
「こうしてはいけない」「こうするべき」などの
様々な思考がつくられ、感情が傷つかないように守ろうとするのです。


また、親が子供に対して行う「しつけ」も
子供が痛い思いをしないように
将来、子供が社会の中で困ることがないように
「してはいけないこと」や
「社会で守るべきルール」などを
親にとって「正しいと信じている価値観」に従って教えた結果、
様々な制限となる思考を生み出す原因となってしまいます。


ネガティブな感情や、心の痛みを避けるために
「感じること」を抑えてしまうと
喜びや満足感も感じにくくなってしまいます。



本来は、感情が傷つかないように守るための思考
結果として感情を感じることを遠ざけてしまう
そして、凝り固まった思考により行動が制限されてしまい
なかなか感情が満たされない。

そんな悪循環が、いつの間にか生まれることになるのです。


感情から離れすぎてしまい、
思考ばかりが優位になってしまうと
結果的に息苦しい生き方になってしまいます。

思うような満足感が得られない時、
何となく閉塞感を感じる時には
偏った思考、考え方によって自分の視野が狭くなっていないか
振り返ってみる必要があると言えます。



●あなたが、あまり感じたくない感情や、普段、抑えている感情はありますか?
(怒り、あきらめ、悲しみ、または無邪気に喜ぶこと、など)

●つい避けてしまう感情を以前は感じていましたか?また、それはいつ頃ですか?
 「その頃」の自分の姿を思い出せますか?




A 人には、普段意識することのない「無意識の領域」があります

私たちの心には、自分で意識できる領域と
自分では意識できない領域があります。

普段何かを考えたり、物事を判断したり
何かを選択したりする時に用いる
自分で意識できる領域を顕在意識と呼びます。

また、自分では意識することのない「無意識の領域」は
潜在意識
と呼ばれています。



一般的に、顕在意識として使っている領域は
意識全体の2〜5%にすぎないと言われています。

私たちは95%以上を占める無意識の世界によって
行動や考え方、感情に影響を受けているのです。



潜在意識(無意識の領域)を認識する方法として
「何も考えないこと」を、
静かな場所で、心を落ち着けて試してみてください。

何も考えないこと、頭の中を空っぽにすることが
いかに難しいかが確認できると思います。



人は無意識に、まるで、ひとり言のように
「いろいろなこと」を考えているものです。

過去の終わってしまったことを懐かしんだり、後悔したり
また、未来のことを想像して
期待したり、不安や怖れを感じたりしているはずです。

普段から、それだけ多くのことが
「無意識に」頭の中を駆け巡っているのです。



このように潜在意識(無意識の領域)には、
「休むことなく自動で働き続ける」という特徴があるのです。


もしも、あなたが困った状況や、問題を抱えた状態で
「いったい何が悪いのだろう」と自分に問いかけた場合、
自動的に「何が悪いのか」その理由を探し続けてしまうことになります。

「やり方が悪いから」「自分の〇〇な性格のせいだ」
「運が悪い」「あの人が悪い」「きっと〇〇のせい」・・・・
そんな解決にならない答えを探し続けてしまい
いつの間にか疲弊し、落ち込んでしまうことになるのです。



自分に問いかける質問の内容を、少し変えてみるだけで
導かれる答えは違うものになってきます。

「問題」に対して、
「答えがある」という前提の問いかけをするのか
問題があることを嘆くような、
否定的な問いかけをしてしまうのかによって
導かれる答えも変わってくるのです。

「この状況で、今の自分にできることは、何だろうか?」
「この問題を乗り越えたとき、自分はどんな風に成長しているだろう?」


物事を前向きに捉え、ポジティブな考え方をした方が
良いアイデアや、解決策が、思い浮かびやすく感じるのは
「潜在意識を上手く使う」という意味でも、筋が通っていると言えます。



ですが、その「ポジティブな考え方」が
きちんと自分の本心と繋がっていないと
どうしても、しっくりいかず、
望むような結果も得にくくなってしまいます。

本当の気持ちを無視して、
頭で考えた「その状況において正しいこと」や
「世間では当然だと言われること」を
どんなに自分に納得させようとしても
本音からズレてしまっていては、上手くいかないはずです。

潜在意識の力を借りて
あなたの望みを叶えるためには

「どうしたらよいのか」
その方法ばかりを悩むよりも
「自分の深いところで、本当は何を望んでいるのか」
自分の本心を知ることの方が、重要であると言えるのです。



●問題が起きたときに、反射的にどんなことを感じていますか?
(追い詰められる感じ、「またか」というあきらめ、不思議な高揚感、など)

●すべての問題や悩みから開放されたとしたら、あなたはどんな気持ちでいますか?
 (その時の気持ち、心の状態や、体の感覚をイメージしてみてください。)

●問題や悩みを抱えた状態から、抜け出すために、
 「やった方が良い」と、心のどこかで感じていることや
 「試してみたいけれど、怖い」と、思っていることはありますか?



B 人の体には無意識に戻ろうとする機能があります

ホメオスタシス(恒常性維持機能)という言葉をご存知でしょうか。

人の体は「変化」に対して「もとの状態に戻ろう」する力が
無意識に、自然に働きます。



「体温を調整するための体の機能」を例にして考えてみると

風邪などをひいて、熱が上がった場合、
汗をかくことによって熱を下げ、元の体温に戻ろうとしたり
また逆に、
寒い場所へ行って、体温が下がると
体を振るわせることで、体温を上げようとする働きがあります。


人の体には「いつもの状態でいよう」という性質があるのです。


太古の昔、人間が文明を持つ以前から
「いつもと違う状態」は「危険な状態」であることが多かったはずです。

そもそも「変わろう」「変化しよう」と意識すること自体
生き物にとっては「不自然なこと」であり、
「怖さ」や「不安」をともないます。

命を守ろう、生活を維持しようとしたときには
どうしても、リスクを犯さないように心がけ、
「いつもと同じこと」を選択することに、安心感を感じるのです。

だからこそ、何らかの変化を感じたとき
身体の安全のために「もとの状態に戻ろう」とするのです。



この機能「戻ろうとする働き」は心にも影響しています。

何か新しいことを始めたり
今までのやり方を変えようとしたとき

脳は違和感を感じ、警戒して
もとの状態に戻ろうとします。


「何だかやる気が起きない」
「ソワソワして落ち着かない」
「嫌な感じがする」
そんな違和感も、脳が変化を察知し
前の状態の方が安全だと感じて
「もとに戻ろう」としているからなのです。


カウンセリングを受けて、心の状態に変化が現れた時にも
この力が働くことがあります。

気持ちの変化や、変わろうとする姿勢が続かないのは、
ホメオスタシス(恒常性維持機能)の影響もあるです。


人はどうしても変化を怖れます。

「人生を変えたい、より良くしたい」と願いながらも、
実際の生活の中で何かを変えていくことは
思っている以上に、心の負担となるのです。



また、同じ場所に戻ろう、現状を維持しようとする機能自体は
決して悪いものではありません。

あなたを守るための無意識の力、
生命を維持するために備わった本能なのです。


そして
「あなたが、いつの間にか戻ろうとしてしまう状態」
「どんな状態を無意識に求めているのか」
それらを冷静に受け入れることで、あなたの心の傾向がわかります。

無理に自分のやり方を変えようとしたり、
変化を受け付けない自分自身を責めるより
その状況で、あなたが何を感じているのかを知ることが大切なのです。


まずは、自分の状態を認めてあげることが必要です。

その上で、あなたが「その状況」を続けたくないのであれば
「それを続けると、この先どんな人生になるのか」
「その場所で、あなたが本当に求めていることは何か」
少し違う角度からの視点を持ってみてください。

変わりたい、戻りたくないと思いながらも
その状態を心地よいと感じている自分がいないか
その時、心の奥底では何を感じているのか

自分の内面に問いかけてみることで
自分のことを、より深く知ることができます。



●「安心」「安全」などのキーワードで、あなたが思いつくことは何でしょうか?
(親の言うことを聞かなくては、安定した職業を選ぶ、など)

●もし、今の生き方を続けたとしたら、どのような人生になると思いますか?
(安心感がある、後悔をしているかもしれない、さみしい思いをしていそう、など)




C 「自分という存在」を知るためには「他者の存在」が必要になります

私たちは、
誰かが「思っている気持ち」を、受け止めてくれたり、
「してほしいこと」を、してくれたり、
また、「わかってくれている」と感じられる言葉を、かけてもらうことに、
喜びを感じ、「自分の存在を認めてもらっている」
そんな安心感を得るものです。

あなたが「考えたこと」や「思っていること」「気持ち」は、
自分以外の誰か「他の人」に表現し「伝えること」、
そして、
相手に「届くこと」で、何かが達成される
そんな側面がります。



そもそも「感情」は、「自分以外誰か」がいてくれないと
その存在すら危うくなってしまうのです。

もし、まわりに誰もいなかったとしたら、
自分のまわりの人が、
自分に対して何も興味や反応を示してくれなかったとしたら、
感情は行き場を失い、
人は、「生きる気力」すら、次第に失っていくはずです。



自分の気持ちや、感情、そして「自分という存在」までも
その存在を認識してくれる誰かが必要なのです。



他の人からの自分に対する「言動」や「働きかけ」は、
心理学では「ストローク」と呼ばれ、4つに分類されています

無条件のプラスのストローク
(たとえ何をしても、何もしなくても、あなたを受け入れます)

条件付きのプラスのストローク
(もし、あなたが条件を満たせば、あなたを受け入れます)

条件付きのマイナスのストローク
(もし、あなたが条件を満たせないのなら、あなたを受け入れません)

無条件のマイナスのストローク
(あなたが、何をしても、あなたを受け入れません)



ストロークには、言葉での挨拶や会話だけでなく、
身体に触れる身体的なコミュニケーション
また、表情や雰囲気から自然に伝わる感覚的なものまで、
人と人との「やり取り」の中で生まれる様々な方法が含まれます。



「自分を認識するため」に必要なストローク(まわりからの承認)は
人が生きていく上で、
身体にとっての「食料や水」と同じくらい重要な存在と言えます。

特に生まれてすぐの、それこそ赤ちゃんにとって
大切な存在である「親」から受け取るストロークは
その後の、自分の存在価値を決めてしまうほど、
大きな影響力があると言えます。


一番身近な存在である
親からのストロークが「自分の価値」を決めるとも言えるのです。



またストロークという「人と人とのやり取り」の中で
「人からされたこと」「自分の環境」については
「受け身」の立場でありながら

その状況の中で
「どう思ったのか」「なにを受け取ったのか」については、
その「解釈をしているのは自分」という複雑な現象が起こります。

あなたが「どんな環境の中で生きてきたのか」
あなたが「その場所で何を受け取ったのか」
その両方を見ていくことで、
「自分という存在」を自分自身がどう思っているのか
あなたの「自分に対する価値感」が見えてくるのです。



●あなたは、両親から、どんな「ストローク」を受け取ったと思いますか?

●両親との関係の中で、あなたは何を感じていましたか?

●また、あなたの両親は、親(あなたにとっての祖父母)から
 どのような「ストローク」受け取ってきたと思いますか?




D 「一つの出来事に対して、感情は一つ」とは限りません

感情は「その時、その場面に、ひとつだけ」
私たちは、そう思い込んでいるのではないでしょうか。

その一瞬に感じることのできる感情は、確かにひとつです。

ですが、人の感情や意識は、
瞬時に、あらゆる方向に移り変わり
同じことを、ずっと考えてはいないものです。



テストの時や、大切な面接などの場面で、
集中しようとすればするほど、気が散ってしまい
かえって、いろいろなことが頭をよぎってしまった
そんな経験はないでしょうか。


また、過去の体験の記憶の中で、
例えば、小さい頃に
台風が住んでいる場所に接近したときなどには

「危ない」「怖い」などの感情だけでなく、
「何が起こるんだろう」と妙に興奮したり、
また、不思議なぐらい冷静に、その情報を受け入れる自分がいたり・・・
そんな風に、自分の中に
たくさんの気持ちを感じていたはずです。



アメリカの精神科医のエリック・バーンが提唱した交流分析の中では
親・成人・子どもの3つ心(意識)があると説明しています。


親の心(社会のルールを守ろうとする、相手を褒める、いたわる心)
(例)「台風がくるなら災害に気をつけなくては、みんなが心配だ」

成人の心(冷静に状況を判断する心)
(例)「風が強くなってきた、夜には雨が降るだろう」

子供の心(無邪気に振舞う、人に頼る心)
(例)「わーすごーい、一体どうなるんだろう?」
   「なんだかこわいよー、誰か助けてー」



さらに親の心(意識)をやさしい親と、厳しい親の心に、
子供の心(意識)を無邪気な子供と、まわりの大人に従順な子供に区別し
さらに細かく分類することもできるのです。



私たちは成長し、常識や社会性を身につけるにしたがって
「あまり思ってはいけない気持ち」や
「社会的に不謹慎な感情」が増えていきます。


まわりの人との関係の中で
感じても許される感情と、
あまり感じるべきではない感情を
無意識のうちに判断し、選別してしまうのです。


もし、分別のある大人が、特別な理由もなく
「台風が接近してきて、ワクワクしてしまう、楽しみで仕方がない」
そんな「不謹慎なこと」を考えていては、
また、それを何も考えずに言葉にしてしまっては
まわりから反感を買ったり、
浮いた存在になってしまったりして
社会生活に悪い影響を与えかねません。



一般的な社会生活の中では
まるで、感情をコントロールできることが
理性を持った大人であるために必要なことのように
認識されていると言えます。

そんな状況の中で、「その場面に不都合な感情」は
まるで存在すらなかったかのように、フタをされてしまうものです。



自分の感じていることを、すべてまわりの人に伝える必要はありません。

ですが、あなたが「感じていること」「思ったこと」は事実なのです。

自分の気持ちは自分自身が認めてあげないと
その感情自体の存在が、どこにもなくなってしまいます。

あなたが感じたことを本当に理解できるのは、あなただけです。

だからこそ、
あなたの気持ちは、あなた自身が大切に認めてあげる必要があると言えます。



●親・成人・子どもの心(意識)のうち、あなたが普段よく感じているのは、
 どの心しょうか?

●また、あまり感じないのはどの心(意識)でしょうか?
 もし、その心が現れ始めると、自分自身にどんな変化があると思いますか?




E 過去の感情は、今も消えずに残っている


「過去の出来事の中の感情であっても、
その感情は、消えてなくならない」そんな考え方があります。

過去に起きた事柄、現象についての記憶や、その時の行動の記憶は
少しずつ薄れていきます。

ですが、「感情の記憶」は、いつまでもあなたの中に残っています。



感情とはエネルギーに近い存在であり、
完全にコントロールすることは難しいと、私は考えています。

何か行動をしたり、
何かを思い描く時に、自然に湧き上がるもの
生きていく原動力となるのが感情なのです。


また、これまでの体験の中で
「上手く表現できなかった」
「誰にもわかってもらえなかった」
そんな 未消化の感情ほど、そのエネルギーとともに
心の奥にくすぶって存在している
と言えます。



子供の頃、「本当はさみしかった」のに、我慢して
「良い子にして」留守番をしていたとします。

その時、我慢をしたのは
お母さんに褒められたかったのか、困らせたくなかったのか
怒られるのが怖かったのか、見捨てられたくなかったのか
もっと他の理由があるのかは、わかりません。

ですが、その時の「本当は〇〇だった」という感情は
未消化のまま、
まるで、その出来事の記憶の中に凍結されたかのように
その場に残り続ける
ことになるのです。



「あなたが認識できる記憶」の中では、
少しずつ忘れてしまうのかもしれません。

ですが、あななたが
「いつも〇〇な目にあう」
「私は〇〇しなくてはいけない立場になる」
「こんな時は〇〇すべきである、〇〇しなくてはいけない」
そんな、あなたの考え方や信念、セルフイメージとして
心の中に在り続けるのです。


そして、「未消化の感情」がある限り
その感情を思い出させるような出来事が
まるでそれが、
人生の中でやり残してきた宿題であるかのように
目の前に起きてしまうことになるのです。


過去に置いてきてしまった「本当の気持ち」は
自分自身が思い出して、受け止めてあげることでしか
解消されることはありません。



「過去の出来事を受け入れていること」とは
もう終わったこととして、忘れようとしたり
あきらめようと努力することではなく

大切な「あなたの本当の気持ち」を
あなた自身が気づいてあげることです。



本当の自分の気持ちに気づき
受け入れている状態こそ
感情というエネルギーが
心の中で正常に流れている
状態であり
心身ともに健全な状態であると私は考えています。



●不意によみがえってしまう記憶や、どうしても忘れることのできない
 体験や出来事はありますか?

●悩んだり、行き詰まってしまうときに、
 いつも繰り返してしまうパターンはありますか?そのとき何を感じていますか?




F 心の中に「幼い頃の自分」がいる(インナーチャイルド)

自分自身が「感じてきたこと」を、
過去にさかのぼって、掘り下げていったときに出会う
かつての「幼い頃の自分の姿」を、
「インナーチャイルド」と呼ぶことがあります。


インナーチャイルドは、
ヒプノセラピー(催眠療法)の中で触れる機会が多く、
それだけ、「無意識の領域」「感覚の世界」に近い存在と言えます。



インナーチャイルド「子供の頃の姿」を通して
「その当時、感じていたこと」を見ていくのは、
幼い頃感じた記憶を
かつての自分が「感じていたこと」そのままに体感するとき
その時の姿を通した視点である方が、より感覚的にも
見えていた世界を掴みやすくなるからです。


大人になった「今の自分」には似つかわしくない感情や感覚が、
「子供の頃に感じたままの姿」で、自分の中にあるのです。



大人になった「今の自分」の中にある
不安や怖れ、モヤモヤする感じなどが
「今の自分の感覚」だけは、どうしても掴みきれないとき

その「説明のつかない感覚」を
インナーチャイルドの視点から見ていくことで
自分の感覚として理解できるようになっていきます。


また、
インナーチャイルドと成長し大人になった自分との「距離感」
見ていくことも、大切な要素となります。


「今の自分」と「幼い頃の自分」との関係が、
まるで他人事のように
「切り離された」状態で接している間は、
「その幼い自分の気持ち」を
「わかってあげること」、それこそ「助けてあげること」は
どうしても難しくなってしまいます。


逆に、一体化してしまうほど近すぎてしまうと
「幼い頃の自分と同じように」感情に飲み込まれ、
そのときと同じように
「どうすることもできない」状態になってしまいます。



インナーチャイルドが「感じていること」は、
自分自身が感じていた、切り離すことのできない
それこそ自分の一部とも言える感覚です。

かつての自分と「同じ想い」を共有し、
心の底から「わかってあげること」
そして、
成長し、大人になった今ならわかる広い視野と
積み重ねてきた経験を自分自身が信じて、
かつての自分が成し遂げられなかった想いを叶えてあげること

それが傷ついた、
かつての自分「インナーチャイルド」を癒すことになるのです。



●「幼い頃の自分」にとって、印象的な体験や
 今の自分に影響があると感じる出来事はありますか?

●かつての幼い頃の自分に対して、今のあなたは、どんな感情を抱いていますか?
 また、
「幼い頃の自分」は、今のあなたに、どんな感情を抱いていると思いますか?




G 「何を感じるか」は、人それぞれです

まったく同じ出来事に出会っても
「どう見えるのか」
「どう聞こえるのか」
「どう感じとるのか」
人は、それぞれ違うことを受け取っているものです。

それはある意味、「当たり前のこと」のようですが、
私たちは、ついつい、そのことを忘れてしまいます。



それだけ人の感情というものが、不確かな存在であり
その不安定さや不安を、少しでも補うためにも
「誰かにわかってもらいたい」「自分の気持ちに共感してほしい」
そんな思いを、誰もが持っているからかもしれません。



野に咲く花を見て、心を惹かれたとき、私たちは
「きれいだ」「かわいい」「ほっとする」など
様々な感情を持ちます。

ですが、
花が人々に「何かをしてあげようとして咲いている」訳ではないはずです。


見方を変えれば、
「 花が咲いていること」に、何か意味があるのではなく
花が「人の心から感情を引き出すきっかけ」となってくれる存在である。
そんな捉え方もできるはずです。

「感じている」のは、あくまで、私たち自身なのです。



ネガティブな感情も同じです。
例えば、あなたが列に並んでいる時に
強引な割り込みを、されたとします。

「ちゃんと並んでいたのにずるい」
「なんて自分勝手な人なんだ」
「並んでいる自分を馬鹿にしている気がする」
そんな怒りを感じたり

もしくは
「あの人は、何をそんなに急いでいるのだろう」
「自分が並んでいた場所が間違いだったのかもしれない」
と疑問や不安を感じたりするはずです。



それらの湧き上がる気持ちは、すべて、
あなたの考え方、価値観に照らし合わせた感情が
その出来事をきっかけとして表面化したものなのです。

その感情を引き出す原因となった
出来事や人物には、本来、何の意味もないはずです。



それは感情を感じる原因「感情の種」のようなものが
私たちの心の中に存在する
とイメージすると
わかりやすいかもしれません。

その「感情の種」が、あなたの心の中にある以上、
たとえ不愉快な思いをさせる相手や出来事が
その場では、目の前からなくなったとしても

また、別のきっかけによって
同じ思いをしてしまうことになってしまうのです。



この「感情のもとになる種」は、一人ひとりが
「それぞれの形」で持っていることになります。



あなたが、他の誰かを「怒らせたり」「悲しませたり」
逆に「喜ばせたり」「楽しませたり」したときにも、

あなたは、誰かの感情を動かす「きっかけ」になりましたが、
そう「感じたのは」、「相手」であるので、
「どう思うか」まではコントロールできないと言えます。


他人の感情の責任を完全に取ることは、できないのです。


それぞれの身体、別々の人格を持った存在である以上、
どんなに親しい間柄であったり、
似たような感覚を共有していたとしても
相手が何を考え、何を思っているのかを、すべて知ることは、
できませんし、
自分のことを、完璧に「わかってもらうこと」も不可能です。

私たちは、「自分の心で思っていること」に照らし合わせ、
相手も「こう(思っている)に、ちがいない」と意味づけし、
「自分の物差し」で様々な判断しているだけなのです。



「自分のしたこと」に対して負い目を感じたり、
責任を取ろうと過ぎてしまうと、
「自分の気持ち」そのものまで、否定してしまうことになりかねません。

また、自分の言動に対して、あまりに無責任になってしまうと
自分が「何をしているのか」「何をしたいのか」わからなくなってしまいます。



あなたが「できること」は
「誰かに何かをしてあげたい」と思った自分の気持ちや、
起こった出来事の中で、「自分が感じたこと」を手放さないこと
自分の感情の責任を取ることだけなのです。



●あなたにとって「良くないこと」「不都合なこと」に対して、
 「自分の責任」だと感じていることはありますか?

●「自分の責任」と感じる、その場所に「他の誰か」が変わりにいても
 その人の責任だと思えますか?

●普段「当たり前」にやっていることの中に
 「自分を押し殺してやっている」と感じることはありますか?




H 目の前に起こる出来事は、「心の中」を映し出している(投影)

「目の前に起こる出来事は、心の投影である」
「自分が思っていることが、目の前で起こっていること」
心の世界では、そんな風に言われることがあります。


受け入れたくない、不快な出来事に対して、
「心の中に不安や怖れがあるから
 そんな出来事を引き寄せてしまう・・・」
そう捉えてしまうと、かえって苦しくなってしまいます。

ですが、
たとえ、どんな出来事であっても
それが、誰にとっても問題や悩みとなるようにすら思える
受け入れ難いことだったとしても

その「出来事」を意味付けし、そのように判断しているのは、
そう「感じている本人」だと、言えるのです。



目の前に起きる出来事に対して
人は、本当に様々な感情を持ち、様々な反応をします。

人の数だけ、捉え方が存在すると言っても良いでしょう。

そして本来は、出来事そのものには
良い悪いなどといった評価や価値は、ないはずです。


目の前で起きた出来事や、まわりの人の接し方から
「どんなメッセージを受け取っているのか」
その中で「何を感じているのか」によって、
「同じ世界」を体験しても、人それぞれ「違う景色」を見ていると言えるのです。



そして、
その人や、出来事、現象に直面した私たちが、
その出来事が、自分にとって不都合だと感じ
どうしても受け入れられなかったり、許せない時に、

その対象となる「現象」や「出来事」は
「(その人にとっての)問題」に変わります。


本人が、特に「問題だ」と感じていないことは
問題や悩みとは、ならないはずであり、
また、
「ある人が問題と感じていること」であっても、
それが「すべての人にとっての問題になるとは限らない」
こともあるはずです。

目の前の人や出来事、現象が
「どんな意味を持つのか」は
その人の「受け取り方」で変わってくるのです。



学校や職場など「新しい環境」に入っていく場合など、
自分の立場が不透明で、先行きが見えないときほど、
自分自身が「どのように扱われる存在だと思っているのか」が
考え方や、行動などに、にじみ出てしまうものです。

自分は「受け入れてもらえる」という前提で、
まわりと接することができれば
「自分の気持ち」を、たとえ、それが「不安」や「怖さ」であっても
「素直に」話すことができるはずです。


また、逆に、
「受け入れられない」「否定される」という前提があるとしたら、
どうしても、まわりとは距離を置くことになり、
「自分を守るために」虚勢をはってみたり、取り繕おうとしてしまい
「素の自分」を出すことは、難しくなるはずです。



私たちの心の中にある認識
「世界をどのように見ているのか」
自分は「どんな扱いをされると思い込んでいるのか」によって

(本来は何の意味も持たないはずの)出来事、人物、現象を、
様々な意味付けし、「あなたが心の奥で思った通りの現実」を招いているのです。



一人ひとりが持っている世界観や価値観、信念などは
私たちが生きていく上で、拠り所となる大切なものです。

無理に手放したり、失くすことは、できないはずです。

ただ、その中で、
あなたが「この世界を、どんな世界だと感じているのか」
「何をしなくてはいけないと、無意識に思っているのか」
自分の内側「心で思っていること」を見ていくこと、それが、
自分を取り巻く環境を、
「自分にとってやさしいもの」に変えていくことに繋がっているのです。



●あなたにとって、この世界はどんな世界ですか?
(気が抜けない、よくわからないけれど何とかなる、など)

●この世界で、あなたが「しなくてはいけない」と思っていることは何ですか?




I 人が変えることができるのは「自分のこと」だけ

私たちは「受け入れらないこと」「許せないこと」があると
どうしても、
その対象や人、出来事が「自分が納得できるように」変わってほしい
思うものです。

それは、ごく「当たり前」のことであり
自分の置かれた環境を良くするためにも、必要なことだと
信じているはずです。


それなのに、自分の居る場所を、
少しでも「自分にとってよい状況」に変えようとする、その試みは、
不思議なほど思うように行かないまま、ずっと続いてしまうものです。



心理学、心の世界では
「人が変えることができる(許されている)のは、自分だけ」
言われています。


私たちは、無意識に
「自分にとって、それが相応しい」と感じているものを
自分のまわり、目の前の世界に揃えています。


たとえ、それが
「自分が歓迎していない」「どう考えても嫌なこと」であったとしても、
その場所に至るまでの過程を、見ていくと
そんな「自分が求めているはずもない、その場所」を、
まるで導かれるかのように、たぐり寄せていたり

そこから抜け出すことのできるはずの
とても魅力的な選択が、すぐ目の前にあったとしても
「自分には合わないような感覚」がしたり、
「自分だけには通用する巧みな理由」をつけ、
自分を説得し、納得させ、
同じような状況にとどまり続けてしまうのです。



自分の外側にある「受け入れ難い出来事や人」を、
どんなに変えようとしても、うまくいかないとき
自分の内側に目を向けることでしか変えられない何かがあると言えます。


私たちは
「見たい」と思うものに目をむけ、
「思いたい」ように解釈し、
自分が、そう「信じたい」価値感が間違っていないことを
証明しようとし続けているのです。



「自分の考え方」「深いところで信じていること」によって、
目の前の状況は、つくりだされています。



自作自演とも言える様な
いつも繰り返している生き方のパターンの中で、
「自分は何をしているのか」
「どんな世界、環境、扱われ方が自分に相応しいと思っているのか」
自分が自分自身に対してしている「思い込み」を見つけること

その思い込みを、本当に自分が望んでいる方向に変えること
それができるのは、「自分だけ」なのです。



●あなたが「許せないこと」「受け入れられないこと」は何ですか?

●「受け入れ難い状況」の中で、何を感じていますか?

●「受け入れ難い状況」を、もし、自分自身が、つくりだしているとしたら、
 それは、なぜだと考えられますか?
 何を訴え、何を証明しようとしていますか?




カウンセリングでは
このような心理学の知識や考え方をふまえ
その人の考え方や、役割、立ち位置、そして
その偏りや、不自然さ、強い思い込みを見つけていきます。

それは、その人の生き方の間違いを指摘したり
正すためではありません。

カウンセリングの目的は考え方のくせや、偏り、大切にしている価値観、
そして、無意識にしている行動のパターンに「気づくこと」
「自分を知ること」であり、何より大切なのです。



人生を変えることは、どうしても難しいことです。

無理に変化を求めたり、
うまく変わらない自分を責めるより
どうしても捨てることの出来ない大切なものを見つけ、
認めてあげることの方が大切です。

「うまくいかない」
そんな焦り、失望感であっても
「本当によくなりたい」と思う気持ちがあるからこそ
そう感じるはずです。



あなたが、何を感じているのか
過去に、その置かれた環境の中で何を感じていたのか
どんな想いで、毎日を生きているのか
心の奥底で求めている、本当に欲しいものは何か


自分の欲しいもの「求めているもの」が、わかっていないと
「どこへ進んでいきたいのか」「どうしたいのか」何もわかりません。
また、
「自分が求めていると思っているもの」が、
もし、自分の本心とズレていたとしたら、
思うように進めず、「人生の流れ」は、悪くなってしまいます。



掴みどころない、どうしてもわかりにくい
自分の感情「気持ち」を知り、味わうこと


自分が無意識に考えていること「思考」を見ていき
強く信じていること、思い込んでいることに、気づくこと

そして、
「自分がどうしたいのか」に、しっかり繋がった感覚とともに
「行動」していく、もし、必要ならば行動を変えていく



カウンセリングに用いる心理学の知識は、
「自分自身のことを知るため」の道具のひとつであり、
その道具を利用して
「幸せを感じて生きていくこと」が何より大切だと
私は考えています。



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